南山大学大学院 理工学研究科 ソフトウェア工学専攻
青山研究室 2019年度 博士論文発表会のご案内


南山大学大学院 理工学研究科 ソフトウェア工学専攻 博士(後期)課程 青山研究室では,研究成果を広く学外の皆さまに公開し,フィードバックを頂くために,下記の要領で,博士論文発表を公開で開催致します.どなたでも聴講を頂けます.
 ご多忙中かと存じますが,ご参加を頂きますよう,宜しくお願い致します.
 なお,ご不明の点は下記の青山までご連絡を下さい
 また,過去の博士論文は大学の基幹リポジトリで公開しております.青山研究室の博士論文はWebのページ[http://www.nise.org/jp/almuni.html]からリンクしております.

プログラム

日程:2020年2月1日(土) 15:00~16:00
会場:南山大学名古屋キャンパス S棟 2階 S22教室
地下鉄名城線 名古屋大学駅下車 1番出口 徒歩約10分[キャンパスマップ]l
問い合わせ先:南山大学 大学院 理工学研究科 ソフトウェア工学専攻 教授 青山 幹雄
Tel: 052-832-3278, E-mail: amikio@nanzan-u.ac.jp

発表者: 川野 篤子
題名: 学習者経験モデルに基づく企業内技術者教育プログラム設計方法に関する研究
概要: 企業における高度ソフトウェア技術者教育プログラムの教育効果を高めるため,学習者経験モデルを提案し,それに基づき個々の学習者の学習経験を評価する方法を提案する.
従来,教育プログラムの評価では,学習後の学習者のパフォーマンスやアンケートなど結果に対する集合的評価が中心であった.これに対し,本研究では個々の学習者の視点に着目し,学習過程において学習経験を評価できるアプローチをとる.デザイン思考およびユーザ中心設計のコンセプトから,学習者のエンパシー(Empathy)を起点として,学習者の経験から教育プログラムを評価し,その問題の発見とフィードバックを学習過程内で可能とする評価方法を提案する.学習過程における個々の学習経験を評価し,視覚化する方法として,カスタマージャニーマップ(CJM: Customer Journey Map)の考え方を学習経験に応用した学習者ジャーニーマップ(LJM: Learner Journey Map)を提案する.
 提案評価方法をある企業で実施している1年間にわたる高度ソフトウェア技術者教育プログラムに適用した.その結果,学習過程における教育プログラムの学習者経験に基づく評価が可能となり,かつ,教育プログラム設計の課題を抽出できることを確認し,提案方法の有効性,妥当性を示した.
 本研究は要求工学の技術であるデザイン思考等を基礎として教育プログラム設計方法を提案し,実際の教育プログラムで有効性を示した点から要求工学とソフトウェア工学教育の両分野へ貢献すると考えている.

以上