3セッションから成る1日のシンポジウムで企業アプリケーション開発の問題点を議論した.最初にユーザ企業(Shell,
Lockheed Martin, Lucent, Ford)の情報担当責任者などから 問題点の提起があった.次いで,ベンダやSI企業(TSI
Software, IBM, International Group)からミドルウェアを中心とする技術の現状の紹介があった.最後にOMGとOAG(Open
Application Groupなど)から標準化の話があったが,報告者は最後のセッションには参加しなかった.
ユーザからの問題点は,アプリケーション統合が中心であった.EAI(Enterprise Application Integration)が第1の問題であること.オブジェクト指向でこの問題が扱われてうない,また貢献できていないことが指摘された.特に,企業買収などによる情報システムの統合や電子商取引サービスの短期提供など,アプリケーション統合のニーズが高まっている.しかし,パッケージソフトウェアを含む粗粒度なコンポーネントの統合が問題である.新規アプリケーションの30-40%がアプリケーション統合に費やされているとの指摘があった.コンポーネント連携のためのモデル,アーキテクチャ,ミドルウェアなどの技術開発が必要である.
これに対し,第2のセッションCORBAなどのミドルウェア,EAIツール,XMLをベースとするドキュメント交換などが紹介されたが,技術が発展途上であること,多くのインタフェースがあること,などの技術的な不確定性の高さが指摘されている.統合のトポロジも,P2P(Point-to-Point),
バス,パイプライン,ハブ,ネットワークなどがある.
1. End-User Perspective
1.Robert Marcus (Organizer, Chief Architect, Director of
Technology, GM)
2. Tim Thomasma (Ford)
3.John Leary (Lockheed Martin)
4. Bruce Ambler (Lucent)
5. David Depinet (Shell Service International)
最初にRobert Marcusがシンポジウム開催の背景と問題の全体像を示した.
EAIが大企業におけるアーキテクチャ上の主要な課題になっている.しかし,オブジェクト指向技術のコミュニティでは,問題として扱われていないことが問題であると提起.シンポジウムの目的は,問題を明らかにし,現在の技術をアセスメントし,議論を巻き起こすこと.
各ユーザの代表者が指摘したキーポイントは:
・ E-Commerce:E-Commerce is big driving force (Ambler, Lucent)
・ 購入するか開発するか(Buy or Build):最近のソフトウェア関係の文献にしばしば現れるキーワード
・ EAIあるいはEnterprise Integration:企業全体でのアプリケーション統合−粗粒度コンポーネント(Large
grained components)の統合,ERPパッケージの統合
・ スイート化:Application Suite Integration(Lockheed MartinのLeary)
2. Middleware: Fitting the Pieces Together
1.John Leary (Lockheed Martin)
2.Tony Percy(TSI Software)
3.Don Ferguson (IBM)
4. Max Doglgicer (International Systems Group)
最初にJohn Learyが問題の整理を行った.
・ミドルウェア統合パターン:ネットワーク,p-2-p(point-to-point),バス,パイプライン,ハブ
・ エンタープライズにおけるミドルウェアに対する4つの視点
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